JR・東京メトロ・西武・東武の4社8路線が乗り入れる池袋駅。先月(2017年3月)末に国土交通省から発表された2015年度の「第12回大都市交通センサス調査結果」では、池袋が終着駅となっている西武池袋と東武東上の両路線からJRや東京メトロへの「乗り換え距離と移動時間」が公開されています。その結果、西武池袋線からJRへの乗り換え時間が軒並み長くなっており、もっとも長い例ではピーク時に6.1分を要していました。
西武池袋線から各線への乗り換えの移動時間は次の通りです。(移動時間は最混雑時の1時間に調査)
- 西武池袋線 → JR湘南新宿ライン(大宮方面):6.1分(水平移動:366.6m/上下移動:9.3m)
- 西武池袋線 → 埼京線(大崎方面):5.9分(水平移動:350.1m/上下移動:9.2m)
- 西武池袋線 → 山手線(東京・上野方面):5.7分(水平移動:330.8m/上下移動:9.3m)
- 西武池袋線 → 山手線(新宿・渋谷方面):5.5分(水平移動:329.5m/上下移動:8.9m)
- 西武池袋線 → 埼京線(大宮方面):5.5分(水平移動:330.8m/上下移動:9.3m)
- 西武池袋線 → 地下鉄丸ノ内線:4.1分(水平移動:236.7m/上下移動:6.9m)
- 西武池袋線 → 地下鉄地下鉄有楽町線:4.0分(水平移動:222.6m/上下移動:11.6m)
東口にある西武池袋線からJR線への乗り換えには、ラッシュ時に5~6分はかかるという結果となっていました。西武と埼京線・湘南新宿ラインのホームは互いに見える距離で、直線距離では近いのに、改札口が互いに離れているため、実際に乗り換える際の時間は長くなってしまっています。
また、西武から山手線への乗り換え客は池袋駅のなかで2番目に多いパターンだけに、日々苦労している通勤客が多いことがうかがえます。
東京メトロ・有楽町線への乗り換え時間は短くなっていますが、西武・有楽町線を通じて相互乗り入れが行われているため、メリットはそれほど大きくはなさそうです。
一方、東武東上線ではどうでしょうか。
- 東武東上線 → 地下鉄有楽町線:3.9分(水平移動:171.7m/上下移動:10.2m)
- 東武東上線 → JR埼京線(大崎方面):3.6分(水平移動:139.6m/上下移動:10.7m)
- 東武東上線 → JR山手線(新宿・渋谷方面):3.3分(水平移動:104.2m/上下移動:10.7m)
- 東武東上線 → JR山手線(東京・上野方面):3.0分(水平移動:89.5m/上下移動:10.5m)
- 東武東上線 → 地下鉄丸ノ内線:2.5分(水平移動:113.1m/上下移動:9.2m)
東武東上線から東京メトロの有楽町線への乗り換えには若干苦戦がしていますが、ホームが近接しているJR線方面は比較的スムースです。丸の内線へも2.5分と相性が良好です。
池袋が終着駅となっている西武池袋線と東武東上線。将来的には東口と西口を地上で結ぶ「東西デッキ」の整備が予定されており、完成した際には今より乗り換え環境が大幅に改善さるかもしれません。
【関連記事】
・<池袋駅の乗り換え客>大半は東武東上・西武線から「山手線」「丸の内線」だった(2017年4月24日)
【参考リンク】
・第12回大都市交通センサス 平成28年度調査(国交省)
・池袋駅東西連絡通路(東西デッキ)整備基本構想(豊島区)
・JR池袋駅の構内図(JR東日本)